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アルバムなら103円お得
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1曲まるごと収録されたファイルです。
<フォーマット>
1曲まるごと収録されたCDを超える音質音源ファイルです。
<フォーマット>
詳しくは ハイレゾの楽しみ方 をご確認ください。
シングルもしくはハイレゾシングルが1曲以上内包された商品です。
ダウンロードされるファイルはシングル、もしくはハイレゾシングルとなります。
ハイレゾシングルの場合、サンプリング周波数が複数の種類になる場合があります。
<フォーマット>
640×480サイズの高画質ミュージックビデオファイルです。
フォーマット:H.264+AAC
ビットレート:1.5~2Mbps
こんなにも地味で内省的なユーミン様のアルバムがかつてあっただろうか。祭りの後の寂しさをかみしめつつ、それでも明日に向かっての新しい希望とシアワセが、ここではしっかりと確信をもって歌われている。諸行無常の響きあり。そして日はまた昇る、と。だいぶ前から『SURF&SNOW』のパート2を作るぞ作るぞとアナウンスばかりが聞こえていたわけだが、それがようやく完成した。着手してから1年半もかかったそうだが、しかし全7曲でたったの30分強。そこからはかなりの苦労が窺えるわけだが、実際、かくもサウンドから歌詞まで、きっぱりとトータリティを持った彼女のコンセプト・アルバムというのは初めてだろう。「コンビニのレジのミントみたいなアルバム」を、という松任谷正隆プロデューサーの言葉を手がかりに「勝手な21世紀のリラックス・ゾーンを創り上げようという意識が生まれた」とプレス資料で本人が語っているが、なるほど、ヴォリュームはないけど、さりげなくスキッと筋の通ったアルバムなのだ。クリード・テイラーを想起させるボサ・ノヴァ・スタイルのオープニング・ナンバーからラストまで、『紅雀』あたりに一番近い感じのオーガニックでメロウなサウンド・プロダクションは、近作で垣間見られた回帰路線を一気に推し進めたものと言っていいだろう。しかし歌詞は、初期の私小説世界回帰とか『SURF&SNOW』の延長といったものではまったくなく、狂騒のマテリアリズムが過ぎ去ったあとのさらなる夜明けの情景を描いたものばかり。つまり、90年代にユーミンが追求してきた、新しい精神的幸福、言葉を変えれば本当に成熟した個人としての豊かさというものが、ここでは開示されている。21世紀のリゾートは、サーフィンやスキーなどホイチョイ的なものではなく、スピリチュアルなものの中にあるのよ、と。やっぱりユーミンは、どこまでも日本と正面から対峙し続ける同時代的表現者なのだった。(CDジャーナル)