アーティスト情報
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本作でも再録されている「ノー・ウーマン、ノー・クライ」を77年にヒット(その時はポルトガル語だったが)させたこともあり、それ以外にもレゲエに積極的なアプローチを図っていた時期もあるジルだから、マーリーのトリビュート作品を作っても不思議ではない。むしろブラジルとジャマイカという異なる国に生まれ、異なる音楽をやっていながら、互いにルーツであるアフリカを念頭に置いた創作活動をしていたことを考えれば、ジャマイカ人以外でマーリー作品をカヴァーするのにジル以上の適任者はいないのでは。そんなことを思いつつ聴き始めたのだが、曲が進むにつれ、ドンドン引き込まれていった。包容力のある優しいジルの歌声と、ゲスト参加のアイ・スリーズほかによる柔らかな女性コーラス、しなやかに弾むレゲエのリズムが渾然一体となって響いてくる。最後に収められたレゲ・サンバというべき新曲も、もし二人が共作したらこんな曲が生まれたかも、と思わせる佳曲だ。（CDジャーナル）