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1曲まるごと収録されたファイルです。
<フォーマット>
1曲まるごと収録されたCDを超える音質音源ファイルです。
<フォーマット>
詳しくは ハイレゾの楽しみ方 をご確認ください。
シングルもしくはハイレゾシングルが1曲以上内包された商品です。
ダウンロードされるファイルはシングル、もしくはハイレゾシングルとなります。
ハイレゾシングルの場合、サンプリング周波数が複数の種類になる場合があります。
<フォーマット>
640×480サイズの高画質ミュージックビデオファイルです。
フォーマット:H.264+AAC
ビットレート:1.5~2Mbps
UAと菊地成孔とのこのコラボレーション・アルバムは、双方にとって"初めての経験"と言っていいのではないか。むろん、UAにとっては、初めてのジャズ・アルバムであり、そして菊地成孔にとっては初めての他者と向き合ったプロデュース作品になった。この互いにどこか孤独にさせた緊張感が、このアルバムの成功を約束したと言っていい。 まず冒頭の、むしろ器楽曲として取り上げられることの多い「Born to be blue」で、ジャズ・ファンは完全にノックアウトされるだろう。間違いなく彼女は特別の才能をもったシンガーと驚嘆するに違いない。いわゆるスタンダードは半数だが、そのどれもがUAの緊密で不思議な豊かさをもった表現の力によって、そのまま直球で見事なジャズになっている。しかし、もっと興味深いのは、菊地がジャズ楽曲として提出したそのほかのオリジナルかもしれない。そこには菊地の中のジャズとUAのイメージが交差し、プロデューサーとしての菊地成孔の冒険と同時にクールな視線が火花を散らす境界線上の疾走を目の当たりにすることができるからだ。むろん、これはUAにしても同じで、右か左かも分からない菊地の創作を前にし、不安を抱えながらもその場で歌い走り過ぎるしかなく、むしろそんな場面で、さらに彼女のジャズ的な資質とクールな素の実力者の姿が現われ、引き込まれてしまうのだ。 このアルバムの鍵はジャズの癒しということのようだが、むしろこれらの緊張感は、ジャズのもうひとつの隠れた表現上のパラドックスを引き出しているように思う。どこかでこの世界に通じる感触がかつてあったなと思い、ふと頭をよぎったのが一枚のアルバムで、もしかしたらこれは2006年の日本に生まれたあのジューン・クリスティの傑作『サムシング・クール』ではないか。菊地成孔の知の感触としても、これは意外にぴったりのような気もするのだが……。(CDジャーナル)