アーティスト情報
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最も英国的なバンドと言われるパルプの3年半ぶりとなる新作は、さらにブリティッシュネスの本質を深く追究したような、しっとりとしたエレガントさが漂う名作に仕上がった。そのエレガントさを引き出したのは、誰あろうウォーカー・ブラザーズのスコット・ウォーカーで、この伝説の人物を探し出し、プロデュースを依頼したジャーヴィス・コッカーのセンスと眼力はやはりただ者ではない。<br> サウンド的には、前作のタイトル曲「ディス・イズ・ハードコア」でも試みたストリングス・オリエンテッドなアレンジがベースになっているものの、その質感はより繊細かつリッチで、これまでのゴージャスではあってもチープな猥雑感が特徴だったパルプとはひと味違うシリアスな趣がある。とはいえ、ジャーヴィス=パルプらしい大仰さやポップさは不変で、知的なユーモリスト=ジャーヴィスが、ダンディなヴォーカリストに徹しているのが聴きものだ。（CDジャーナル）