シュガームーン*シャンゼリゼ

個性的なカナコのヴォーカルが歌い上げるコケティッシュな楽曲と、このユニットの持つ独特な雰囲気が話題を呼んでいたspeenaの最新アルバム。今年に入って小西康陽とのコラボレーションなど新たな方向性を見せていた彼女たちの現時点での総決算的内容に仕上がった。ジャズ・テイストの(8)をはじめ、ほぼすべての楽曲のトラックが大変凝っており、聴いていて新鮮な発見がある。小西とのコラボレーションの影響なのか単純に楽曲に深みが増し、同時に輪郭が明確にもなっている。もちろん、今までの方向性をしっかり発展させたストリング・アレンジが心地よい(1)なども、新たな高みを感じさせる。渡邊善太郎、石田ショーキチらをプロデューサーに迎え、女性としての希望と欲望、そして迷いを、ガール・ポップ・アイコンとして艶やかに表現することに成功した本作。彼女が敬愛するCharaやYUKIもそうだが、その表現方法がリアルに結実するライヴも体感したい。（CDジャーナル）