アーティスト情報
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約2年ぶりのアルバムだが、電気グルーヴの『ヴォックス』あたりから顕著になってきた80年代ニューウェイヴ/エレクトロ/ユーロ・ディスコへの回帰傾向は、石野の主宰するパーティ"LOOPA"や"KOMAKINO"を経て、このアルバムで決定的になっている。彼本来の音楽的ルーツを隠さず明らかにすることで、DJユースのストイックな厳しさにあふれていた従来のソロ作にはなかったオプティミスティックな開放感と、しなやかな歌心が感じられる仕上がりになっているのだ。シングル・カットされた「stereo nights」など、電気グルーヴで出してもおかしくないほどのポップさだし、バラエティに富んだ楽曲は、ダンス用だけでなく観賞用としてもじゅうぶん通用する質の高さがある。なにより聴いていて楽しい。ソロでこういうことをやってしまうと電気グルーヴの存在意義が問われることにもなりそうだが、「これこそが本当にやりたかったこと」と初めて自然体になれた石野の今後は期待できそうだ。（CDジャーナル）